データサイエンティストの需要と供給

久々にブログを書こうといろいろ見回っていたらてつろーさんの記事TJOパイセンの記事がちょっと面白かったので被せて書こうかなと思います。

どちらの記事も内容としては「データサイエンティストの労働市場における需給関係がちょっと特殊な形態になってるよね」という話かなと思っています。

自分は供給者である一方で、会社の中でチームを作っている需要者の立場でもあるのでこの需給関係について思うところをしゃーっと書いていきます。

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1. データサイエンティストといいつつ複数種類の人間がいる

手法で考えれば当然そうなるのは自明だと思います。

機械学習ができて、因果推論ができて、時系列ができて、改装モデルを構築できて・・・

現状の学問分野はこういったものを複数扱うことは非常に稀なので、データサイエンティストはこれらのうちのどれか一つもしくは二つを最初にスキルセットとして持っている状態になります。

例えば僕は計量経済学をやっていた身なので、因果推論と時系列が少々といった感じでした。

ただ、業務を重ねていく上で手持ちの手法では解決できない課題が見つかるので、機械学習やもっと複雑な時系列に手を出し、それをさらに改善するためにネットワーク分析に手を出して、と自分の分析的なスキルセットを拡張してきました。

同様のスキルの成長は技術的な側面に関してもあると思います。(僕はまだその面ではあまり伸びてないですが。汗)

つまり手法的なスキルで考えただけでも

  • 何を軸足としたデータサイエンティストで、
  • 現状どこまで拡張できているのか?

という二つの側面で大きく違うだろうと思っています。

おそらく後者が進むほどに前者の重要度はより薄れる感じですかね。

 

2. 需要側も複数種類ある

データに関連することをすると明確にお金になる企業と、そうでない企業が存在しているなと思っています。

例えばアドテクの場合であれば自動取引が前提にあるために、売買のルールを作る必要があります。

ざっくり言えば、「こういう条件の時にX円で買う(入札する)」というルールです。

このルールがより良いものになれば、事業の収益がよくなるという事が明確にわかっています。(もしくは信じられています。)

なのでデータサイエンティストが機械学習をここに導入して日々より良いルールを作り、改善することに集中できます。

つまり機械学習がそのまま事業成果につながるわけです。

逆に事業の主軸がautomationでない所はほぼ直結してなさそうだと思ってます。そしてそういった所は機械学習やデータ分析による改善よりも、他の事したほうが圧倒的に改善幅が強いだろうなとも思ってます。

個人的なイメージですが、事業の主軸が何かしらのautomationになっているところはデータサイエンティストがコストにならないのでチームを作ろうとしていて、そうでないところはこれからやっと一人入れてみて成果の不透明感を解決しようかと考えているようなステージなんじゃないかなと。

 

3. こういう状況設定で起きそうなこと

今から一人と考えているような企業は不透明感の解決に目的があるので、なんでも出来る人を入れたがるだろうなと思います。

こっちの市場では「データ関連やらねばリスクだ」と本気で考えはじめた企業がひたすらオファーの質を上げるという状況になりそうです。

結果「データサイエンティストチーム立ち上げおじさん」みたいな職種が生まれていて、高給を維持しながら2年ごとに職を変えるんだろうなーと空を見上げる次第です。

おそらくTJOさんの挙げてる500人の人達の移動の裏にはこういったおじさん達の暗躍があるのでしょうw

一方でチームを念頭に入れている方は、チームとしての全体像が設計出来ていれば、候補者の軸足がチームの隙間を埋めれるのであればどんどんチームに入れるという方針になりそうかなと。

そしてスキルが拡張されて、他の会社にも採用される確率が上がって行き、いずれは羽ばたき始めるのでしょう。

 

なので、軸足のスキルだけで採用できるようなチームが立ち上げおじさん達のおかげで各所に出来て、そこで育成されて市場で流通し始めるっていうのが結果データサイエンティストの労働市場で起きそうだなって思ってます。

 

4. 個人としてどうしよっか?

上のようなストーリーを考えたときに、個人としてベストな戦略って何なんだろうなー?と考えるわけです。

オファーの質を考えれば自分が立ち上げおじさんになるという発想もあると思います。

自分よりも圧倒的に優秀な人たちが爆増する未来が見えたらそれも考えようと思います。

ただ、まだ20代。まだまだ前線で戦いたいお年頃なわけです。

そうすると自分が他のどんな人でも替えが効かないような物、つまりどんなチームにもあるような隙間を埋められる物を持っている状態を目指すしかないよなと。

そんな事を考えながら今日もニッチな分野を掘り進みます。

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