棋士vs.コンピューター を読みました。

タイトルのまんまですねw
空いた時間にサクッと読んだのでレビューを書こうかと。

女流棋士の清水市代さんとコンピューター将棋「あから2010」との対決の話なので、内容としては3年程前のものでしたがコンピューター将棋の歴史なんかもわりとまとまっていて面白かったです。

コンピューター側のストーリーとしては、いかに工夫して機会に最善の一手を限られた時間の中で見つけ出させるのか?というものがメイン。

棋士側の話はいかに対コンピューター用に自分の考えと将棋をチューンして、プレッシャーの中勝負を挑むかというお話。こっちは正直そんなに興味はなかったです。

一番面白かったのはボナンザがなんで凄いの?っていう説明ですかね。
将棋の手が良いか悪いかを判断する関数をそれまでは将棋を知っている人間が作っていたんですが、それを機械学習でやる事によって評価関数の質に置けるブレイクスルーを起こしたのがボナンザだったわけです。
よくよく考えてみれば当然のことなんですよね。いくら情報量が多くたってそれを判断する部分が人間と同等であれば、恐らく判断の質も大して変化無いはずなんですよね。

あと、ゆらぎをコンピューターに入れて将棋に人間味を出そうとする努力も面白かったですね。
評価関数にわざとstochasticな変数を入れて結果にランダム性を内包させるという方法と、恐らく評価関数を決定するときの機械学習にランダム性を内包させるという話もしていたかと思います。
後者の話はランダム性を学習時に導入することによって、学習データに対して過学習することを避ける事が出来るという利点があって、思いっきりディープラーニングで最近起きたブレイクスルーの話ですね。

ひょっとしてランダムフォレストにも同じような事が出来るんですかね?

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